外見と内面の矛盾を描く
本作は90年代のイスラエルを舞台に、文化交流の演奏旅行でイスラエルを訪れたエジプトのアレキサンドリア警察音楽隊が、目的地にたどり着けず迷子になる話。その迷子になった先での人々との交流を描いている。「この映画について考えたとき、最初に頭に浮かんだのが、ユニフォームをきたいかめしい男が口を開くとアラブの歌を歌う、というイメージでした。外見は大変いかめしく、そして抑制の利いた物静かな男、しかし彼の心の内にはドラマがあり、ペーソスがあり、それが外に出てこようとしている。そうしたコントラストを映画の随所に散りばめたかったんです」と本作について語る監督。その“外見はいかめしい男”、トゥフィークを演じたサッソンは、「私はこの映画に参加できて本当に嬉しく思っております。監督が誘ってくれたことを感謝しています。この映画は私自身の人生、そして舞台の仕事、そしてまた映画の仕事といったものの集大成ともいえる作品なんです。私はイラクで生を受けたユダヤ人です。3歳の時に両親に連れられてイスラエルに移住しました。アラブ文化というものは私には大変なじみ深いものです。ですからこの映画でそれを体現できることは私にとって大変名誉あることでした」と本作への出演について語ってくれた。